「白井そろばん博物館」は、2011年5月に開館した、日本で唯一、そろばんをテーマにした博物館です。石戸館長が白井市内にそろばん塾を開いて45年。数カ所のそろばん塾に多くの子ども達(年長〜小学5年生)が通い、今も全国でそろばんを習う小学生の15%が白井市の子どもという、全国一位を誇っています。
長年子ども達にそろばんを教えてきた館長にお話を伺いました。
—そろばんの魅力は何ですか?
「昔はみんなが必要で 習っていましたが、今は日本の文化になっています。子どもは能力を伸ばすためにそろばんを習っていますし、ご年配の方は子ども達に教えたいと第二の人生の柱にするために勉強しています。これらは、仕事に使う電卓とは全く違うものなのです!」
—指先と脳を使うのがいいのですね。
「現在は電卓やパソコン、スマートフォンの普及で色々なことが簡単にできてしまい、人が頭を使わなくなってきました。だからこそ、そろばんの良さが注目されているのです。」
—そろばんは日本だけのものですか?
「そろばんは現在、知的スポーツとして世界でも人気なんです。私も日本全国と様々な国で講演をしており、フィリピン、シンガポール、グアテマラ、ポーランド、アメリカなどの現地の大学で教えています。ドイツで行われる暗算ワールドカップでは日本人が2回優勝しています。」
館長は、そろばん文化の普及と白井市の活性化のためにこの博物館を開館したそうです。
2階建ての館内には色々なそろばんが所狭しと並んでおり、江戸時代のそろばんや和綴じ(※)の和算書も展示されています。
(※)印刷した和紙を二つ折りにし、一冊にまとめて右側を糸で綴じる日本の製本様式。
—昔のそろばんは天に珠が2つあるのはなぜですか?
「昔のそろばんは十を表すのに、繰り上げて隣の珠を動かさなくても、天の二珠のみ、または天の一珠と地の五珠でも表すことができ、もっと自由でした。なぜなら、生活には十進法でない数字が溢れていたからです。寸や升、時計だって十進法ではないですよね。天に珠が一つの現在のそろばんは、計算のスピード化によるものです。」
知識と経験が豊富な館長のお話は尽きません。年間約2000人の来場者がいて、館長と話をするだけにやってくる方もいるとか。
「駅から少し距離があるので、電話してくれれば車を出しますよ。暖かくなれば駅から市役所裏の桜を楽しみながら歩いてくる方もいます。」
館長のお話を伺っていたら、小学校以来全く使っていないきれいなそろばんを戸棚の奥から引っぱり出したくなりました。
【住所】白井市復1459-12
【アクセス】・北総線「白井駅」より徒歩25分
・京成バス(ちばレインボーバス)白井線で「白井」下車、徒歩1分
【開館日】水〜日曜日、祝日 10時〜16時
【休館日】月・火曜日(祝日の場合は開館)
【入館料】大人300円、学生200円、幼児無料
【駐車場】6台
【お問合せ】☎︎047-492-8890
【HP】https://soroban-muse.com