歴史の殿堂を巡る
千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館(通称:歴博)は、昭和58(1983)年3月に開館しました。
日本の歴史と文化を総合的に研究・展示する施設で、佐倉城址の一角に広がる約13万平方メートルの敷地内に、延べ床面積約3万8千平方メートルの壮大な規模を誇る歴史の殿堂です。

常設の総合展示では、先史・古代から現代に至るまでの日本の歴史や民俗文化が6つの展示室に分かれて紹介されており、すべて巡るには約4時間ほどを要する充実ぶり。
実物資料のほか、精巧な複製や学術的に裏付けられた復元模型なども用いられ、来館者がその時代の人々の視点で歴史を追体験できるよう工夫されています。(※第5展示室「近代」はリニューアル工事中)
遠い時代の話が気がつくと、見覚えのある現世の景色へ
展示は「先史・古代」の野生的で迫力ある空間からスタート。
「中世」(平安〜安土桃山時代)、「近世」(江戸時代)と進む中で、学生時代に習った歴史用語を思い出しながら鑑賞できるのが楽しい。
当時は曖昧だった出来事も、実物資料や展示方法によって立体的に理解できる感覚がありました。
「現代」や「民俗」の展示になると、一気に現実味が増し、時代の気配が肌に伝わるような感覚に。
戦争や庶民の暮らしの資料からは、今の生活が過去の人々の営みと努力によって成り立っていることを改めて感じさせられます。
東日本大震災で全壊した宮城県気仙沼市の古民家を再現

とくに印象に残ったのは「尾形家住宅」。
東日本大震災で全壊した宮城県気仙沼市の築200年以上の古民家を、調査記録と救出部材によって忠実に再現しています。
地域の暮らしと自分も体験した災害の記憶を伝えるこの空間は、今を生きる私達も歴史の一部であることを自覚させます。
歴博は梅雨や夏の時期など、天気が気になる季節でも屋内で1日落ち着いて楽しめる、休日の学びの場として最適なスポットです。
展示を通して、研究の進展による新しい視点に出会えるのも大きな魅力。
歴史を感じる体験をしに、ぜひ一度足を運んでみてください。
国立歴史民俗博物館
【営業時間】3月〜9月…9時30分〜17時・10月〜2月…9時30分〜16時30分 ※入館は閉館30分前まで
【会場】国立歴史民俗博物館(佐倉市城内町117)
【料金】一般600円・大学生250円・高校生以下無料 ※企画展示は別料金
【休館日】月曜日(月曜日が休日にあたる場合は開館し、翌平日休館)、その他休館日あり要HP確認
【電話】050-5541-8600(ハローダイヤル)
【HP】https://www.rekihaku.ac.jp