【千葉市】千葉市美術館 おとぎの国のモードをさがして/Fairy Tale MODE

 今夏、千葉市美術館で開催中の企画展のテーマは「モード(ファッションの様式や美意識)の視点で見る、おとぎ話の装い」です。

19世紀〜20世紀のヨーロッパの挿絵を中心に、登場人物の装いの役割や、当時の芸術・流行との関わりを、六つの章で多角的に読み解く、これまでにない展示内容となっています。

挿絵と共にドレスも展示。物語の中の装いを立体的に捉えられる

時の流行を映し出すおとぎ話の装い

中央のシンデレラのドレスが当時流行のバッスル・スタイル
ウォルター・クレイン『シンデレラ』1873年 鶴見大学図書館蔵

 第一章で語られるのは、おとぎ話が広まった背景です。

17世紀フランスの宮廷で、女性達が物語を創作し、語り合ったことをきっかけに、おとぎ話は広く親しまれるようになりました。
やがて挿絵入りの本が誕生し、登場人物の装いは彼らの象徴となるだけでなく、時代ごとの流行を映し出しました。

 続く第二章では、おとぎ話に登場する妖精が、自然や目に見えないものへの憧れから生まれたことを紹介。

更に第三章では、「赤ずきん」や 「長靴をはいた猫」などの印象的な装いが、当時流行していた服を思わせることが語られています。
また、装いが物語の展開と密接に結び付いていることにも注目しています。

 それを第四章にて、「シンデレラ」と「眠れる森の美女」に焦点を当てて掘り下げています。

「シンデレラ」のドレスは、不遇な境遇から本来の地位を取り戻す主人公の変化を象徴しています。
それは、戦後の女性達を勇気づけたクリスチャン・ディオールのドレスとも共通し、会場では実物を鑑賞できます。

また、「眠れる森の美女」では百年の眠りから覚めた主人公のドレスが、過ぎ去った時を表しています。

2つの物語は、バレエなどにも大きな影響を与えました。

空想と現実の境界を超える想像力

 こうした物語と装いの関係は、第五章の『千夜一夜物語』へと続きます。

東洋的な世界観は、ファッション界でオリエンタリズムの再流行を生み出しました。
おとぎ話が現実の流行を取り入れるだけでなく、反対に現実の流行にも影響を与えたことが分かります。

 第六章では、「美女と野獣」や「かえるの王子」などに見られる動物の姿も「装い」と捉え、種族を超えるおとぎ話の豊かな想像力について紹介されています。

 おとぎ話の装いは、視覚化された想像力。
それは、種族や時代、時に現実との境界をも超えてしまいます。

 当時の流行をまとうお馴染みの登場人物達は、まるでファッションモデルのようで筆者も心踊った本展。

皆様もこの夏、おとぎの国のモードに胸をときめかせてみませんか。

おとぎの国のモードをさがして/Fairy Tale MODE

【会場】千葉市美術館(千葉市中央区中央3-10-8)
【開催日時】〜8月30日(日)10時〜18時
※金・土曜日は20時まで ※入場受付は閉館の30分前まで
【休室日】月曜日(祝日の場合は翌平日)
【観覧料】一般1,500円/大学生1,000円/小・中学生、高校生無料
【電話】043-221-2311

【HP】https://www.ccma-net.jp/exhibitions/special/26-6-27-8-30/





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