古くから続く祭礼
京都にある「伏見稲荷大社」の分霊社が印西の木下にあるのをご存知ですか。和銅4年(711年)に創建された「竹袋稲荷神社」は、約1300年もの間竹袋・木下の人々に信仰されてきました。「お稲荷さん」の正式名称「倉稲魂命(うかのみたまのみこと)」という五穀・食物を司る神様が祀られています。神社では、秋の収穫が終わった頃、今年の豊作を感謝するために毎年秋になるとお祭りが開催されています。どういったお祭りが開催されているのか、氏子総代の山口さんにお話を伺いました。
御浜下り(おはまくだり)
竹袋稲荷神社に奉納さ れている御神体を乗せた 神輿を担いで、3日かけて木下の町を巡行する「御浜下り」を行います。木下は4つの町内(竹袋・上町・仲町・幸町)に分かれており、各町内には1人ずつ竹袋稲荷神社の氏子総代がいます。毎年交代で当番となりお祭りを取り仕切ります。
木下を廻る3日間
先頭のお囃子が神輿が 来ることを住民に伝えます。ゆっくりゆっくりと町の中を進んでいく途中で、各町内の若衆が引っ張る山車(だし)3台が合流し神輿の
後ろに連なります。この山車は各町内に入ると先頭 が並び変わるのですが、並び変えの作業がとても大変。1日目は21時頃に利根川近くの御仮屋(おかりや)という場所に神輿を納め終了。2日目は御仮屋で神輿にお参りに来る参拝者を迎えて過ごします。祭礼終日3日目は、神輿は12時に御仮屋を出て、町を巡り21時頃に神社に帰っていきます。こうして神輿、山車がお囃子の音にのって町を巡行する祭礼は木下の秋の恒例行事として地元民に伝えられてきました。
若者の祭り離れ
お祭りの先頭を切るお囃子は「木下囃子保存会」という団体で、地元民の力でお祭りをより盛り上げようと昭和48年に結成されました。娯楽が少なかった昔、お祭りは最高の楽しみでした。近年は娯楽が増えたことによる若者や子どものお祭り離れをひしひしと感じます。お祭りを見に来られた方にはお祭りを通して自然の恩恵に生かされていることを再認識するとともに、地元に根付いたお祭りに関心を持つきっかけにもなればと思います。
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竹袋稲荷神社は神主が常住しておらず、管理は町内の氏子代表が行っているそうです。伝統が続いていられるのは、住民達の力が大きく関わってくるのだなと取材を通して感じました。お祭りや神社が存在する意味や目的を再認識し、地元の人々が地域活動に関わっていくことで地域は耐えず活性化されていくのでしょう。皆さんも積極的に参加されてみてはいかがでしょうか。(うき実)
【日時】例年10月上旬開催 ※雨天決行
【会場】印西市竹袋141-1
【アクセス】交通規制あり。公共交通機関をご利用ください
【お問合せ】竹袋稲荷神社当番総代は毎年変わります