江戸時代より続く六軒の弁天様への信仰

印西市大森に鎮座する六軒厳島神社は、江戸時代の延宝年間(1673年~1681年)に創建され、印西市六軒地区(現在の大森周辺)の開拓に尽力した宮島勘右衛門が安芸の宮島(現在の広島県廿日市市)にある厳島神社からご祭神を勧請(かんじょう)したとされています。

厳島神社の御祭神である水の女神、市杵嶋姫命(いちきしまひめのみこと/弁天様)をお祀りしており、後に、水の恵を司る女神・水波能売命(みづはのめのみこと)を祀る水神社が合祀されました。

二柱の水の女神は、生活に恵みをもたらす存在として人々に信仰され、地域に深く根づいてきました。

現在も「六軒の弁天様」と呼ばれ親しまれており、夏の祭礼や年末の年越し神輿を通して神様への信仰と地域の絆が大切に受け継がれています。

過去の祭礼の様子

数日かけて木下の町を巡る神輿と山車

かつて祭礼は10月17日に行われていましたが、大正初期、六軒と大森の若衆の間で祭りを巡る争いがあり、1921年(大正10年)からは現在の7月中旬の3日間に変更され、夏祭りとして定着しました。

祭りの初日は、本殿に祀られた弁天様を神輿に納める厳かな儀式から始まります。

その後、神輿と山車が町を巡り、細い路地にも入り込んでいきます。

お囃子や神楽の奉納が道中に彩りを添え、山車が各所で止まると、狐やおかめ、ひょっとこが家内安全や五穀豊穣を祈願する舞を披露します。

「散餅銭(さんぺいせん)の儀」では、山車の上からお菓子やおもちゃが撒かれ、子どもたちの歓声が響き渡る場面も。

祭り最終日、熱気は頂点へ

最終夜のクライマックス「宮入り」では六軒厳島神社の急な石段を神輿が登ります。

拝殿の正面に神輿の向きがぴたりと合うまで何度も押し戻され「エッサエッサ」の掛け声が境内に響き渡り、祭りの熱気は最高潮に達します。

お祭りの内容や日程は年によって変動することもあり、今年は7月19日(土)・20日(日)の2日間で開催。

例年と少し違うお祭りもまた、この年ならではの楽しみです。(内容・演目は6月現時点未定)

神事「茅の輪くぐり」で夏を迎える前に身・心を清める

6月30日(月)15時からは、半年の穢れを祓い、無病息災を願う神事「茅の輪くぐり」が六軒厳島神社で行われます。

青々とした茅の輪をくぐり、心身を清めて迎える夏。

その清らかな一歩の先には、7月の活気あふれる祭礼が待っています。

神様に感謝を捧げ、地域のにぎわいと絆を感じに訪れてみてはいかがでしょうか。

六軒厳島神社祭礼

【開催日】2025年7月19日(土)・20(日)お昼過ぎ頃~22時頃 ※今年は2日間開催
【会場】六軒厳島神社(印西市大森4336)
【電話】090-4836-8804(髙橋)

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