2010年まで県立印旛高校だった高台が、 昨年春に「木下交流の杜」として生まれ変わりました。
高台の一番上にある歴史資料センターは、昨年4月27日にオープンした新しい建物。 印西市の旧石器時代から明治時代までの歴史の資料を展示し、明治・大正から昭和の頃の古い写真をモニターで紹介しています。
展示室は「天然記念物 木下貝層」の展示からスタート。出土した貝化石が形を崩さず展示されています。なかでも大きな「トウキョウホタテ」と深いひだの「ブラウンスイシカゲカイ」は絶滅してしまった貝。ぜひガラスケースの中を探してみてください。木下貝層は貝塚と違って、人類がまだいなかった頃のものです。 この地が昔、貝が多く存在していた海だったことを示しています。
市内から出土した土器類の展示では、その大きさに驚きます。高さ70〜80㎝もある土器を間近に見ることができるのです。その頃の発掘現場の航空写真の中で高根北遺跡のものは、現在の千葉ニュータウン中央駅北側のマンション群周辺のものだと分かります。
展示の中ごろにある県指定文化財「瓦塔・瓦鉢」は馬込遺跡(現在の平岡地区)で発掘されたもので、二塔が一対になっている珍しいもの。 復元された姿は七重の塔で、屋根瓦の美しさに製作者の意気込みが感じられます。
江戸時代から明治時代は利根川の木下河岸として栄えた当時の古文書やジオラマ、蒸気船の模型があり、当時大変栄えていたことがうかがえます。
木下河岸の歴史を見た後で外に出てみれば、高台から望む利根川と木下の景色が感慨深いものに見え、また少し大きめに見える富士山も、昔の人々も眺めていたのだろうな…と思いを馳せました。
訪れていた方にお話を伺いました。
「 取手から来ました。昨年からきれいに整備されていて気になっていたのです。昔の懐かしい風情の写真がいいですね。高台からの眺めも最高です。」
高台東側の木下万葉公園で木下貝層を実際に見ることができます。また、春には桜が鑑賞できます。
木下交流の杜 歴史資料センター
【住所】印西市木下1489-1
【開館時間】9時〜17時
【休館日】月曜日、祝日
【入館料】無料
【お問合せ】☎︎0476-40-3500