利根川流域で江戸の風情を今に残す佐原は、テレビ番組やCM、映画のロケ地としても有名ですが、さらにこの時期は、水生植物園のあやめ祭りで賑わいます。(2020年は中止)
昭和30年代からの高度成長期に、美しい水郷景色を残そうと約5haの地域を水生植物園として整備し、昭和44年に開園。現在では6haとなり、東洋一の品種数である400品種、150万本のあやめや、カキツバタ、花菖蒲が見頃を迎えます。園内に入ると一面に紫、白、ピンク、青の花々が咲き誇っています。

あやめが咲き乱れる

 あやめは外側の花びらの付け根部分が網目模様になっていることから『アヤメ』と呼ばれるようになったとか。乾燥地でも育ちます。カキツバタは湿地に生息し、外側の花びら付け根部分は黄色で網目模様はありません。花菖蒲も湿地で育ち、外側の花びらの付け根部分は黄色。葉が菖蒲湯のショウブに似ていて花が美しいことから、『ハナショウブ』と呼ばれています。

 園内の水路をサッパ舟(所要時間10分)で回ってみると、水上からの花々は、さらに趣が感じられます。
お祭りの期間中は嫁入り舟も現れ、一般公募により園内で結婚式を行うカップルと花々の素敵な共演に目を奪われます。(2020年は中止)

水辺の嫁入り

 郷土芸能も披露され、賑わいに花を添えます。国の重要無形民俗文化財に指定される『佐原囃子』は、祇園祭(7月)や秋祭り(10月)で曳き廻される山車上で演奏されるお囃子。能や歌舞伎といった江戸文化の影響を受けて今に引き継がれています。県の無形文化財に指定されている『おらんだ楽隊』は、扇島地区に長く伝承されてきたお囃子です。その他花々を眺めながら、お抹茶と和菓子を味わえる野点も楽しめます。
梅雨気分を吹き飛ばす涼やかな花々を、ぜひゆっくりとご鑑賞ください。

水郷佐原あやめパーク
【開催期間】例年5月下旬〜6月下旬見頃
【開園時間】HPをご確認ください
【住所】香取市扇島1837-2
【アクセス】JR成田線「佐原」駅から関鉄観光バス「与田浦経由潮来方面」行「水生植物園入口」下車徒歩約5分・車でお越しの場合は東関東自動車道「佐原香取I.C」から約20分、または「大栄I.C」から約25分
【入園料】時期により変動。HPをご確認ください
【休園日】月曜日(祝日の場合は翌平日)
【駐車場】700台
【お問合せ】水郷佐原水生植物園 ☎︎0478-56-0411 / 水郷佐原観光協会 ☎︎0478-52-6675
【HP】https://www.city.katori.lg.jp/smph/sightseeing/ayamepark/index.html

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