展示風景

 佐倉市にある国立歴史民俗博物館の常設の総合展示は、多くの共同研究や企画展示の蓄積をもとに構築されています。

先史・古代から現代に至るまでの日本の歴史や文化が6つの展示室に分かれて紹介されており、その中の第5展示室(近代)が開室以来約30年ぶりにリニューアルオープンしました。

30年の間の研究で明らかになった知見や新たな視点がどのように展示に盛り込まれたのか、一足先に体験してきました。

現代に繋がる変化の時代をたどる

 新しい第5展示室では、19世紀末から20世紀初頭にかけて、明治維新後に形成された資本主義社会のもとで生じた生活の変化や、戦争、人々の往来を通じて、世界やアジア諸地域との関係が複雑化していく様子を紹介しています。

展示は「〈国民〉の誕生」「近代化する人びとのくらしと仕事」「〈帝国〉日本の社会と人びと」という3つのテーマを軸に構成されています。

〈帝国〉となり〈国民〉となった人々の生活やアイデンティティに焦点を当てた本展示では、社会の大きな変化が個人の人生や価値観にどのような影響を与えたのかを、当時の資料やパネル、ジオラマを通して可視化しています。

来場者が当時の人々の視点に立ち、歴史をより深く理解できる内容となっています。

多様な視点で見る日本の近代

 「アイヌにとっての近代」「琉球・沖縄からみた近代」「「水平」をめざして」という新たな3つの視点も見どころです。

これらの展示では、それぞれ独自の歴史や文化を育んできた人々が経験した近代社会の姿を掘り下げています。

こうした視点は、日本の近代社会を異なる角度から考える手がかりともなるでしょう。

 激動の時代を背景に、私たちの現在の生活の基盤が形づくられたことを実感できる第5展示室。

当時の人びとの暮らしや選択に思いをはせ、「自分ならどうしていただろうか」と思わず想像させる展示は、現代の困難と向き合う覚悟を考えさせられます。

国立歴史民俗博物館

【住所】佐倉市城内町117
【料金】一般900円、大学生500円、高校生以下・18歳未満無料
※企画展示は別料金
【開館時間】※入館は閉館30分前まで
3月〜9月…9時30分〜17時
10月〜2月…9時30分〜16時30分
【休館日】月曜日(月曜日が休日にあたる場合は開館し、翌平日休館)、その他休館日あり要HP確認
【問い合わせ】050(5541)8600(ハローダイヤル)
【HP】https://www.rekihaku.ac.jp/





おすすめの記事