新しい生活様式により様々な施設の利用方法が変化しています。人数制限や利用時間…制約が増え窮屈さを感じる場面が多いですが、佐倉市の図書館は新しい生活様式をあえて活用した様々な企画を精力的に行っています。
 不特定多数の人が集まり、本に触れ、有意義な時間を過ごす場所である図書館は緊急事態宣言によりどう変化したのでしょうか。佐倉南図書館に図書館の「今」を取材しに行ってきました。
 佐倉南図書館は根郷中学校に隣接した、天井が高く開放的な空間が特徴の図書館です。取材日は平日ということもあり館内は閑散としていました。

佐倉南図書館の館内の様子。
 人気タイトルや季節にあった本が目につきやすいように並べられています。

佐倉南図書館は新しい生活様式でどういった取り組みをされていますか?
館長吉尾さん…大型施設と同様に座席数を減らして利用者が長時間滞在しないようにしています。図書館では不特定多数の人が本に触るので、入館前と後のほか、本を触る前と後にも手のアルコール消毒をお願いして います。図書除菌機も設置 しているので、気になる人は利用することができますよ。また、返却された本はすぐに棚に戻さず、裏に数日ほど置いてから戻しています。

手軽に本が手に取れる環境なだけに気を使うことが多いのですね…。
 反対に便利になったこともあります。本の自動貸出機、自動返却口を設置したことで、貸出しから返却まで職員を通す必要がなくなりました。(通常窓口も受け付けています)気になる作品をさっと借りて自宅でじっくりと読むことができますよ。

図書除菌機。開いた本を設置してボタンを押すと下から吹く温風で本を除菌してくれます。画期的!

 佐倉市は公園を利用した読書イベントなど、新しい生活様式に合わせた様々な「本活」に取り組んでいますね。佐倉市立図書館のホームページでは絵本にでてくる料理のレシピ動画や青空文庫の電子書籍の紹介など、コロナ禍でも自宅で楽しめる企画が充実しており、職員の方達の熱意を感じました。

館長吉尾さん
外出自粛の空気もまだまだ続きそうなので、こんな時こそ様々な企画を通して素敵な本と出会い、作品の世界を旅したり、想像力・知識を身につけて充実した時間を過ごしてほしいと思っています。
 佐倉市では図書館まで遠い地域にお住まいの方のために、昭和54年から移動図書館(さくらおぐるま)が巡回しています。緊急事態宣言が出てからはあえて移動図書館を利用する方が増えているような気がします。人気作から児童向けの絵本まで多数の本を揃えている他、リクエストも受け付けています。近くに巡回に来たらぜひ一度覗きに来てみてください。(巡回ルートや時間はHPをご覧ください)

あとがき
 常時本活が盛んに行われている佐倉市にはもしかしたら読書家が多いのかもしれないですね。
 佐倉市は地域により特性が違うので、各図書館により異なった企画や書物を楽しむことができるそうです。例えば商業施設の多い志津地区の図書館では、お店とのコラボ展示など、蔵書の展示方法をさまざまに工夫し、歴史的建造物の多い佐倉地区の図書館では郷土資料を多く扱っていたりします。中学校と隣接している佐倉南図書館では、ヤングアダルトコーナーという学生向けのライトノベルコーナーが充実していました。

佐倉南図書館
【住所】佐倉市山王2-37-13
【時間】9時〜20時
【休館日】毎週月曜日・第一火曜日(祝日の場合は翌平日に休館)
【駐車場】約95台
【お問合せ】043-483-3000

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