『うろんな客』挿絵・原画/1955年/ペン、インク、紙

小さな世界の中に不安な感情が渦巻く

 ペン先を使って繊細に描かれている小さな原画。目を凝らして見ることで作品の中の登場人物一人一人に一体なにがあったのか…想像力を掻き立てられるはずですー。

 エドワード・ゴーリー(1925〜2000)は、達観したクールな死生観を持つ怪しげな作風とモノトーンの緻密な線描で、世界中に熱狂的なファンを持つ絵本作家です。

日本でも『うろんな客』『不幸な子供』などの絵本が次々と紹介され、多くの人に支持されています。

 この展覧会はゴーリーの終の棲家(すみか)であるケープコッドにある記念館「ゴーリーハウス」で開催された企画展から、「子供」「不思議な生き物」「舞台芸術」などのテーマを軸に約250点の作品・資料を再構成したもの。

 昨年春、渋谷区立松濤美術館で 同展覧会が開催され、絵本や挿絵等の多数の原画をはじめ、彼の幼少の頃の作品や、晩年のケープコッドでの生活の様子までもが紹介される稀な展覧会として話題を集めました。

 そんな貴重な展覧会が今年は 佐倉市市制施行70周年記念として佐倉市立美術館でも開催されます。

ゴーリーの作品に出てきそうなレンガ造りの古い洋館(1917年建築の旧川崎銀行佐倉支店、千葉県指定文化財)の中で、ゴーリーの小さな世界がどのように繰り広げられるのか…。

作品を通してゴーリーの人生を辿る旅へと誘われてみてはいかがでしょうか?

ミュージアムショップで販売されているゴーリーグッズも必見です。
※展示替あり(前期4月20日〜5月19日・後期5月21日〜6月23日)

【佐倉市】佐倉市立美術館 エドワード・ゴーリーを巡る旅

【期間】2024年4月20日(土)〜6月23日(日) 10時〜18時 ※入館は17時30分迄
【住所】佐倉市立美術館 2階展示室(佐倉市新町210)
【入館料】一般800円/大学生600円/高校生以下無料
【休館日】月曜日(4月29日・5月6日は開館、4月30日・5月7日が休館)
【問い合わせ】043-485-7851
【HP】佐倉市立美術館公式ホームページ

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