古墳文化は3世紀から7世紀にかけて近畿から関東に広がりました。中国や朝鮮半島から日本に渡ってきた渡来人が文字や仏教、儒教、建築技術をもたらして栄えた頃の文化です。
千葉県は古墳所在件数が全国で2位。印旛郡栄町にある古墳時代に造られた「龍角寺古墳群」は、114基で構成され所在しています。
古墳は教科書でしか見たことがなかった記者ですが、古墳の周りを歩くという貴重な体験ができると聞いて行ってみました。
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龍角寺古墳群の中でも「房総風土記の丘」の一帯には78基の古墳があり、特に大きいのが「岩屋古墳(105号墳)」で、日本最大の方墳(四角い古墳)です。その頃に造られた天皇の古墳よりも大きいので、勢力の大きい蘇我氏系の実力者を埋葬したものか、と謎に包まれています。
岩屋古墳は一辺80m、高さが12・4m。三段になっていて、てっぺんには木が2本。どんな眺めなのか、と近づくと『古墳はお墓なので上がらないでください』とありました。
まず一辺を歩くと、南側斜面の中央に、横穴式石室が2基並んでいます。右の石室のほうが左のものより広め。ご夫婦を埋葬したものなのか。石室を覗きながら、大切な実力者を葬った歴史がまさにここにあったと思うと、不思議な気持ちになりました。ゆっくり一周してみると、いろいろな角度から古墳を見ることができます。
岩屋古墳の近くにある旧学習院初等科正堂の広い庭の入口に「第 101号古墳」の看板を発見。レプリカの埴輪が並んでいるきれいな丸い円墳でした。
ここから少し離れた房総風土記の丘資料館の脇には発掘された実物の石室が屋外展示され、館内では古墳の出土物を見ることができます(入館料有料)。
資料館のすぐ隣にも、小道を挟んだ向かいにも、かわいらしい古墳が!資料館を後にして西へ伸びた道路を進むと、左右にこんもりとした古墳があちらこちらに見えました。
どの古墳にも何号墳と表示があり、その多さにびっくり。まさに古墳群というにふさわしいところでした。これほど大小さまざまな古墳が作られたのは、この北総の地にしっかりとした文化や人々の生活があった証。古墳を眺めながら、時空を超えて想像してしまいます。
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房総風土記の丘資料館を中心とした散策 コースもあるので、清々しい緑に囲まれながら古墳を巡ってみませんか。
岩屋古墳
【所在地】印旛郡栄町龍角寺字池下1601
【アクセス】JR成田線「安食駅」から竜角寺台車庫行きバスで「房総のむら」下車、徒歩10分
【お問合せ】栄町教育委員会生涯学習課 ☎︎0476-95-1112(代)
房総風土記の丘資料館(房総のむら内)
【所在地】印旛郡栄町龍角寺1028
【開館時間】9時〜16時
【休館日】月曜日(祝・休日の場合は火曜)
【入館料】大人300円、大学・高校生150円、中学生以下と65歳以上は無料
【お問合せ】☎︎0476-95-3126