印西市天然記念物指定 の「吉高の大桜」は、樹齢300年、400年ともいわれる一本の古木で、花が満開になる期間が約3日、一番きれいに咲く日はたった1日という山桜です。
直径約26m四方に大きく枝を広げ、その先端はさらに細かく分かれている雄大なもの。
年々有名になって花見客が増えています。
「吉高の大桜を守る会」の方々にお話を伺いました。
—昔から有名な木だったのですか?
山の中の一本桜なので、昔は地元の人でも知って る人が少なかったです。 佐倉市4代目市長の菊間氏 や佐倉の名士達が気に入り花見を楽しんでいたそうで、その縁で佐倉市の音楽ホールの緞帳に描かれてから、ここ30年くらいで徐々にみなさんに知られるようになりました。
—守る会ではどんな活動をしていますか?
なんといっても古木ですから「枯らさないこと、いい花を咲かせること」を思って、枝の苔取りや肥料の散布、下草の刈り取りをし、枝の倍以上に広がっている根を守るためにウッドチップを敷設するほか、花見客のためのベンチの設置なども行っています。
また今年は印西市の市民ファンドの資金を活用して、大桜に通じる遊歩道をリニューアルしました。
絵はがきやクリアファイルなどオリジナルグッズを制作・販売し、大桜の保 全に役立てています。
花見客が増えたことで 根にストレスがかかった事や酸性雨などの影響により、樹に衰えがみられるようになったため、平成18年に「吉高の大桜を守る会 (須藤謙会長・15人)」を結成。
樹の保護や環境整備に取り組んだ結果、ここ2、3年は美しい花を咲かせるようになりました。
—大桜の魅力は?
これだけの大木の満開の様子は素晴らしいです。
ですが「世の中は三日見ぬ間の桜かな」と俳句に詠われているように、朝三分咲きだと思ったら夕方には満開、というほど花が短い。
10年通っても満開に出会えない、という常連の方もいます。
—満開に出会うためには?
本当に難しいです。そのためには何度も見に来るしかないようです。
印西市のホームページが更新されてから来てももう満開は過ぎてしまう、というくらい花が早いのです。
でも満開ではなくても、この大木に会いに来てほしいですね。
大木からパワーをもらって元気になり、杖を忘れて帰る方も時々いるんですよ。
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3月末から5月頭までは遊歩道の入口に峠の茶屋があり、タケノコご飯、天ぷらや刺身などタケノコづくしの料理が人気です。
タケノコは桜が散ってから美味しくなるそうなので、大桜の満開に立ち会えなくても、春の味覚を楽しみにお出かけください。