谷津干潟とは?
谷津干潟はかつて広大な干潟の一部でしたが、1970年代に周囲を埋め立てられ、東京湾の最奥部の住宅地と道路に囲まれた面積約40haの海として残りました。東京湾とは2本の水路でつながり、潮の干満とともに海水が干潟に出入りします。干潟には、ゴカイ・カニ・貝・トビハゼ・魚等の生き物が生息し、それらをエサとするたくさんの野鳥に出会えます。
春(3〜5月)はシベリアなどの繁殖地へ向かう途中に、秋(8〜10月)はオーストラリアなどの越冬地へ向かう途中に旅鳥が立ち寄るサービスエリア的存在。谷津干潟は渡りの途中の中継地として大変重要な場所となっています。
周辺は周囲約3.5kmの観察コースもあり、散策しながら干潟の生き物を目にすることができます。
自然観察センター
干潟の南側にあり、飛来する鳥たちを一望できます。ビデオ上映や解説、子供向けの催し、イベントも開かれ子供から大人まで楽しめます。館内で無料で借りられる双眼鏡や備え付けの望遠鏡でじっくり観察すると思わぬ発見があるかも。
観察時の心強い味方レンジャーさん(専門スタッフ)は些細な質問にも丁寧に答えてくれます。気軽に声をかけるといろんな情報が聞けますよ。
「目指すのは、対話型の施設。ただ見て帰るよりレンジャーと対話することで、はるかに野鳥や自然に関する関心が高まります。
『自然のなかで、生物は食べたり食べられたりしてつながりあっている』ことや干潟を守っていくことの大切さを身近に感じてもらえれば。」と同センターの小林氏。
谷津干潟は平成5年6月10日に「ラムサール条約」の登録湿地に認定されたことから千葉県だけでなく国際的にも貴重な自然の財産となりました。
自然保護や環境保全のため市民と行政が協力し、人間と湿地の共生を考えた「谷津干潟の日イベント」が今年も開催されます。
さりげなく自然と向き合うことで何らかの気付きが生まれるかもしれません。生き物たちからのメッセージを肌で感じにお気軽にご来場ください。
※ラムサール条約…正式名称「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」
谷津干潟バードカレンダー
谷津干潟では1年を通して約60〜80種類の水鳥が見られます。中でももっとも数が多いのが12月〜3月、種類が多いのが8月〜10月といわれています。主な鳥と見られる季節は次のとおりです。
夏(5〜8月)
カルガモ・コアジサシ
子育ての季節。6月頃ヒナを連れたカルガモ親子に会えるかも。冬は赤道付近で過ごし、夏は干潟周辺で過ごす夏鳥、コチドリ・コアジサシが見られます。
秋(8〜10月)
子育てを終え、越冬地オーストラリアへの旅の途中、旅鳥が干潟に立ち寄ります。初めて渡りをする若鳥の姿も。
冬(10〜3月)
夏は繁殖地のシベリアなどで過ごし、冬は干潟周辺で過ごす冬鳥、カモ類・ハマシギ・ユリカモメ等たくさんの鳥が見られます。
春(3〜5月)
繁殖地へ向かう途中の旅鳥が立ち寄ります。色とりどりのシギやチドリがやってきます。
その他、特に渡りのような大きな移動をしない留鳥、カイツブリ・カワウ・ゴイサギ・ダイサギ・コサギ・アオサギ・カルガモ・バン・シロチドリ・イソシギ・セイタカシギが1年中見られます。
人間も生態系の中の一つ。あなたも時には自然に寄り添い、ゆったりバードウオッチングを楽しんでみてはいかが?
谷津干潟自然観察センター
【お問合せ】☎️047-454-8416
【HP】https://www.seibu-la.co.jp/yatsuhigata/